「退職代行サービスって、どこまでやってもらって大丈夫なの?」
そう思った人も多いのではないでしょうか。
2025年に話題となった退職代行サービス「モームリ」への家宅捜索は、業界全体を揺るがせました。
この事件では“非弁行為(弁護士でない者による法律業務)”が問題に。
今回は、モームリ事件をきっかけに「合法な退職代行」と「違法な退職代行」の境界線をわかりやすく解説します。
退職代行「モームリ」事件とは?何が問題になったのか
2025年、警視庁は退職代行サービス「モームリ」を運営する会社に家宅捜索を実施しました。
疑われたのは「弁護士法違反(非弁行為)」です。
モームリは「退職代行のパイオニア」としてSNSで人気を集めたサービス。
しかし、顧客に弁護士を紹介し報酬を得ていた疑いがあり、弁護士法72条に抵触する可能性が指摘されました。
つまり、「退職手続きを代行するだけ」なら合法ですが、
法律交渉や弁護士紹介を報酬目的で行うと違法行為になるのです。
非弁行為とは?弁護士法72条の内容をわかりやすく解説
弁護士法第72条では、次のように定められています。
「弁護士でない者は、報酬を得る目的で、法律事件に関して鑑定、代理、仲裁その他の法律事務を取り扱ってはならない。」
つまり、退職代行業者が「上司との交渉」「有給消化の調整」「慰謝料請求」など
“法律上のやりとり”を代わりに行うとアウト。
ただし、「退職の意思を伝えるだけ」や「書類を提出するだけ」なら合法範囲です。
合法な退職代行と違法行為の違い【具体例で比較】
| 行為内容 | 合法 or 違法 | 解説 |
|---|---|---|
| 退職の意思を伝える | ✅ 合法 | 本人の意思伝達の代行のみ |
| 有給休暇の交渉 | ⚠️ グレー | 内容次第で非弁行為の可能性 |
| 退職金・残業代の請求 | ❌ 違法 | 法律交渉に該当 |
| 弁護士を紹介し報酬を受け取る | ❌ 違法 | 弁護士法違反の典型例 |
| 弁護士監修サービスで伝達のみ行う | ✅ 合法 | 弁護士が監修していれば安全 |
SNSの反応まとめ【X(旧Twitter)より】
「モームリやばくない?退職代行どこまでやっていいのか分からん」(Xユーザー投稿)
「ちゃんと弁護士が関わってるか確認しないと怖いね」(Xユーザー)
「退職代行って便利だけど、選び方ミスるとトラブルになる」(SNS投稿より)
SNSでは「便利さ」と「リスク」の両方が議論されています。
中には「使う前に合法性をチェックしよう」という冷静な意見も目立ちました。
安全な退職代行の見分け方
合法的に運営されている退職代行業者には、以下の特徴があります。
✅ 弁護士または労働組合が運営している
→ 弁護士が関与していれば法律交渉も問題なし。
→ 労働組合(ユニオン型)は「団体交渉権」があるため、有給や退職金の話も合法的に対応可能。
✅ 公式サイトに「監修弁護士名」や「運営団体情報」が明記されている
→ 透明性が高い業者は信頼度も高い。
✅ 「交渉」「請求」といった文言を使わない
→ 法的業務を連想させる表現を避けているかチェック。
モームリ事件が示す業界の課題
今回のモームリ事件は、退職代行ブームの副作用とも言われています。
参入が増えたことで、「どこまでが合法なのか」の線引きが曖昧になっていました。
今後は業界全体で、
- 弁護士・労働組合の連携
- 運営体制の透明化
- 利用者への法的説明責任
が求められそうです。
FAQ:退職代行に関するよくある質問
Q1. 弁護士が監修している退職代行なら安心?
→ はい。弁護士が関与していれば、法的リスクはほぼありません。
Q2. 「モームリ」は今後どうなるの?
→ 現時点では捜査中ですが、行政指導や業界ガイドライン強化の動きが出ています。
Q3. どんな業者を選べば安全?
→ 弁護士法人・労働組合運営・実績公開がある業者を選びましょう。
まとめ:退職代行を使う前に“合法ライン”を確認しよう
モームリ事件は、「便利さの裏にある法的リスク」を私たちに教えてくれました。
退職代行を利用するなら、
- 弁護士監修か
- 法的交渉をしていないか
を必ず確認することが重要です。
安心・安全に退職を進めるためにも、
「安さより信頼」で選ぶ」ことが、今後ますます大切になります。
参考リンク一覧
- 警視庁が家宅捜索 退職代行「モームリ」運営会社に弁護士法違反の疑い:FNN NEWS
https://www.fnn.jp/articles/-/949030 FNNプライムオンライン - 退職代行「モームリ」運営会社捜索 弁護士に違法あっせん疑い:日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/general/news/202510220000356.html nikkansports.com - 非弁行為の解説:東京弁護士会公式サイト
https://www.toben.or.jp/know/iinkai/hiben/fyi/column/post_3.html とべん - 退職代行「モームリ」家宅捜索 違法性を弁護士が解説:NBC長崎放送 NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/2243700?display=1 TBS NEWS DIG+1 - 「退職代行サービスの光と影――SNS絶賛の裏に「非弁行為」と「事件屋」の存在」:CYZO ONLINE
https://cyzo.jp/society/post_377501/ cyzo.jp


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